Hiroko Ueyama
rocotone
diary
まことラーメン
私は溝辺の保育園にピアノレッスン(毎週)とリトミック指導(月1)で行っています。
リトミック指導の後に空き時間ができたタイミングで、溝辺で話題の「まことラーメン」さんに行ってきました。
私は、音楽学院運営と、ピアノ講師をしながらイベント企画や演奏活動を行なっています。
父はピアノの調律師で、楽器店を営んでおり私は生まれた時から音楽や楽器に囲まれて暮らしていました。
私は音大に入るきっかけで上京し、結婚を機に鹿児島県志布志市の楽器店(実家)で働きながら3人の子供を出産、子育てをしながら暮らしていました。
実家の楽器店で働きながら様々な文化を発信したいと思いながらイベント企画、開催を多数行いましたが、毎回集客に悩まされました。
人が集まらなければやる意味がなく、とても悩んで考えた時期がありました。
地元の人から「無料だったら行くんだけど」という声もあったりで、とにかく残念な気持ちでいっぱいでした。
文化を楽しむ習慣がない人たちが増えてしまっている現状を目の当たりにして「わくわくした気持ちを持って文化芸術を楽しむ習慣を持つ人」を育てなければいけないという使命感が生まれました。
それはすぐすぐにはできることではなく、容易いことではないことがわかっていたので、10年、20年、30年かかってもいいからと、その時から覚悟を持って今まで活動してきました。4年前に私が通っていた古い音楽学院を引き継いだのも、その思いがあったからできたことだと思っています。
先人たちが残してくれた文化芸術は価値がわかる人が引き継いでこそ未来につなげることができます。
温故知新の精神は音楽も、美術も、建築も全ての分野においてなくてはならないものですが、古いものを維持する手間とコストを削ることを優先してしまい鹿児島県だけでも残すべき尊いものが少しずつ壊されていっています。
古き良き文化芸術を理解できる人が育っていなければどんどん古いものが壊され新しいものばかりの世の中になってしまいます。
それがもうすでに、現時点で起こってしまっていることに危機感を感じています。古き良きものが未来に残されなくなってしまったらこの世の中はどうなるでしょうか。
音楽やアートなどの文化芸術はなくても生きていけるかもしれません。
しかしながら、文化芸術は人の感性や想像力を育むためには必要不可欠です。
世の中、感性や想像力が乏しい人ばかりになってしまうことはとても恐ろしいことです。
豊かな感性や想像力を持っている人が増えれば必ず街は豊かになります。
豊かな街は、豊かな感性や想像力を持った「人」を育てます。
そんな良い循環を作るためには、時間と忍耐力が必要ですが、コツコツとやっていくしかないと思っています。
立派で最新の機能を持つ建物を建てたり、大きくて特別なイベントをすることも悪くはないですが、古くても、語り継げるものを大切にしたり、地味でも、小さくても、質のいいものが日常の中に習慣的に存在する事が人やまちを育てるのではないかと思います。